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毎月払っている養育費、扶養控除の対象になる?

子供と養育費

毎月養育費を送金している場合、扶養控除の対象になることをご存知ですか?条件や注意事項もありますが、納税の負担を少しでも軽くするため、利用できるならしたい制度ですよね。

知らなかった! で損をする前に、養育費と扶養控除について詳しく見ていきましょう。

養育費も扶養控除の対象になる

扶養控除とは、扶養する親族がいる場合に、納税者の税負担を軽くする仕組みのことを言います。

扶養する親族とは、同居が絶対条件ではありません。「生計を一(いつ)にする」状態であれば扶養控除が認められるとされています。

生計を一にするとは、日常生活の財源を共通にしている状態のことを指します。常に生活費・教育費・療養費等を支出して扶養しているのであれば、生計を一にしているとみなされます。

つまり、離婚して別れた子どもに毎月養育費を送金している場合でも、扶養控除の対象になるのです。損をしないために、使える制度は利用できたら良いですね。

控除対象となる扶養親族は、12月31日現在の年齢が16歳以上の人が対象となります。子ども手当の創設により、16歳未満の扶養親族に対する控除は廃止となっています。

扶養控除の申告が重複した場合は?

ただし、注意点があります。元妻か元夫、扶養控除が受けられるのはどちらか一方ということです。

子どもをどちらの扶養親族にするかどうかは、離婚前に取り決めることが望ましいですが、実際にはそこまでの話し合いをしておくことは難しいのではないでしょうか。

そこで問題になるのが、お互いが扶養控除を受ける申告書を提出していた場合です。いずれ発覚し、税務署から是正の通知が届くでしょう。そして、どちらかが追徴税を支払うことになります。

どちらが扶養控除を受けるのかどうしても決まらない場合は、法律上、より早く申告を出した方と定められています。それでも決まらない場合は、所得の多い方が控除を受けられるとされています。

悪く言えば早いもの勝ち、ということですので、申告はなるべく早い方が良いでしょう。

トラブルになった場合

離婚後に扶養控除の重複が発覚してトラブルになった場合、もしくは税務署の処分に納得がいかない場合は、税務署長に「異議申立て」を行うことができます。

これを受けて、税務署長は処分の見直しを行い、納税者に「意義決定」を通知します。それでも処分に不服の場合は、国税不服審判所長に対して「審査請求」を行うことができます。

この裁決をもってしてもなお処分に不服がある時は、裁判所に訴訟を起こすことになるのです。裁判では、国税不服審判所が第三者的立場から公正な裁決を行います。

養育費のことはすぐに頭に浮かぶかもしれませんが、扶養控除のことは抜け落ちてしまいがちです。しかし、後のトラブルを防ぐため、離婚時にはなるべく細かな取り決めをしておいた方が良いかもしれません。

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