養育費

よくある養育費の疑問

養育費は誰がもらえるのか?
養育費とは、未成熟の子供の生活費のことを言います。
例えば未成熟の子供のいる夫婦が離婚した場合、子供を引き取って育てる方の親(監護者と言います)に養育費をもらう権利があります。

監護者は子供を引き取って身の回りの世話をする養育する人のことです。
親権とは別ですので、離婚して親権を取れなかったとしても監護者にはなれるので養育費をもらう権利があります。

養育費はいつまでもらえるのか?

養育費の支払いは、通常成人するまでです。
しかし、実際の支払い期間については、経済状況や生活程度に応じて夫婦で話し合って臨機応変に定めることができます。

又、毎月一定額を支払うのが一般的ですが、高校入学金、大学入学金などのようにまとまった金額についても、離婚協議書を作成する際に忘れずに記載すると良いでしょう。

養育費の相場はどのくらい?

養育費は子供が成長するのに必要な生活費、教育費のことです。 養育費の金額は夫婦の話し合いで決まります。

子供を引き取る側とすれば、なるべく沢山の金額を要求したいところです。
しかし、実際に相手の生活が成り立たないような金額や、収入をはるかに超えた金額を
要求したら、話し合いは進まないでしょう。

養育費は毎月払いが一般的ですが、その相場額は意外に低いのが現実です。
テレビやインターネット上での芸能人夫妻の高額な養育費は例外として考えてください。
養育費の額が話し合いで決まらない場合には、家庭裁判所に調停や審判を申し立てることができます。

過去の調停事件では、養育費の相場は、毎月3万円から6万円くらいです。
払う側の収入にもよりますが、相場として頭に入れておきましょう。

養育費は一括で貰えるのか?

養育費は、子供が成熟するまでに必要なお金です。
長期間にわたって定期的に支払われるケースが普通です。勿論、一括で支払ってもらうことも可能です。

しかし、一括払いの場合の金額が100万円を超えるケースは非常に少ないようです。
例えば10歳の子供の養育費10年分を考えてみましょう。

仮に一括払いで200万円を受け取ったとします。
これを月々5万円で10年間受け取ったとしたら、総額600万円になります。
一括払いで受け取るよりも、はるかに高い金額になりますが、毎月きちんと払い続けてもらった場合です。

支払う側が病気になったり、リストラにあったりして収入がなくなることもあります。
そう考えると、少なくても一括払いでもらっておいたほうが良かったというケースもあるわけです。

どちらの受取り方法にするかは、支払う側の職業や性格、健康状態などを考慮にいれて決めましょう。

養育費の金額は後で変更できるか?

養育費の金額は、離婚する時点での払う側の経済力や、子供の状況を考慮して話し合って決めます。

原則的には、金額の変更は難しいのですが、長い期間には双方の経済状況や生活事情が変化したり、社会情勢や物価水準が変化することもあります。
法律上でも、家庭裁判所は、監護者(養育する人)の変更や、事情による変更を認めています(民法766条2項、880条)。

例えば、監護者の事情として、子供の進学・受験による教育費の増加、子供の怪我・病気による高額の医療費の発生などがあれば、養育費の増額を要求することができます。

しかし、支払う側の経済状況から増額が無理だと判断されれば、増額を拒否することもできます。

このように事情により、養育費の増減を求めることは可能ですが、最終的には話し合いということになります。

要求が聞き入れられない場合には家庭裁判所に話し合い、調停を申し入れすることが可能ですが、明らかに無理だと判断されと場合には、要求は認められません。

相手が再婚しても養育費は貰えるのか?

再婚をしたら、元夫から養育費をもらえなくなると思っている方が多いようですが、再紺を理由に養育費がもらえなくなるということはありません。

しかし、再婚相手と妻の子供が養子縁組をした場合は、法律上父子関係が発生するので、状況は変化します。 再婚相手にも監護養育義務が生じます(民法820条2項)。

再婚相手と子供が養子縁組をしない場合には、再婚相手に子供の養育義務はありませんので、元夫の養育費の支払い義務は消えません。 又、再婚相手と子供が養子縁組をした場合でも、元夫と子供の法律上の父子関係は消えないので、元夫には引き続き養育費の支払い義務はあります。

しかし、再婚相手に経済力があり、子供が以前より裕福に暮らしている場合には、元夫は養育費の減免を要求することができます。いずれににしても臨機応変に話し合って決めていくことになります。

事実婚の場合は養育費を貰えるのか?

事実婚の離婚の場合、養育費がもらえるかどうかは、認知しているかどうかがポイントになります。

事実婚の夫婦の場合、生まれた子供は母妻の戸籍に入ります。
父夫が認知をしなければ、法律上では父子関係はありません。

事実婚の夫婦が離婚した場合、夫が子供の認知をしていなければ法律上の父子関係はなく、養育費の支払い義務は発生しません。

養育費を請求するためには、妻が子供の法定代理人となって夫に対して「認知の訴」を起こしも夫に認知を認めさせなければなりません。
認知が認められれば、養育費を請求することが可能です。

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